【レポ】7/16 こどもでもよくわかる土中環境 午前編
おかげさまで、よいお天気になりました。
受付の青少年研修道場に集合後、萬福寺境内に向かいます。
この日には話があったかわかりませんが、リハーサルのときにはこの道の下に水脈があったであろうという話がありました。
山門を入ると、まず放生池があります。
丸い、四角い、などわりときっちりした形の池は自然にできた池だそうです。
おそらく、この放生池を灌漑用の池として守るために萬福寺は建てられたのではないか、という乗松さんのお話。
放生池の近くに、こんな木がありました。
太い木は枯れて、子どもの枝がそだっています。
木の周りの土を見ると、かなり固く、保水力があまりないことがわかります。落ち葉もきれいに掃除されています。
そういう時、どうするかというと。
樹形の下くらいのところにぐりぐりと穴を開けます。穴には有機質で枯れたもの。例えば落ち葉や枯れ枝を差し込みます。そうすると水が浸透して菌糸が成長します。
その菌糸が保水力を高めるのですね。
そうしたぐりぐりの穴を数か所開けます。
(午後のワークショップで実践しました)
次はこちらの木。こちらも周りの土は固く、保水力はありません。
根が少し浮いています。浮いているところは水が浸みません。すると根が張れない。という悪循環になってしまいます。
そんなときは、遊んでいる石(根がからんでいない、固定されていない石)を浮いた根の下にぐっと差し込みます。
すると、石を差すことで湿気を持ち、湿気が菌糸を呼び、水が浸透します。
こうした木の周りのケアを繰り返すことで、根が張り、木が元気になっていきます。
この池は、四角い池です。これも自然にできた池だろうとのことです。
ちょうど乗松さんの後ろに池があります。この池は形がいびつです。これは、人口の池だろうと予想。水脈を探して凸凹になってしまうそうです。
さて。
土の表面は湿っているほうがよい、草などが生えているほうがよいそうです。乾いていると斜面を水が流れます。そうすると根が浮いてきて、そう、また悪循環が始まります。
草を刈るときは、根を残して刈ります。風が詰まっているところを通すように刈るそうです。
苗木も、菌糸が整っている環境で育てられたものが理想だそうです。決して立派にはならないが、獣害からも強いそうです。
菌糸が整っていると、菌糸ネットワークが構成され、食べられると次の苗木にその情報が行き、食べられないように植物自身が工夫するそうです。
ここで、新聞社から取材に来ていた方から質問。
「そもそも土中環境がなぜ大事なのですか?」
土中環境が悪くなると、水脈がせき止められます。その水脈がせき止められることで線状降水帯が発生したり、保水力が低下したりします。昨今の災害の原因も土中環境にあると乗松さん。
大事なことは、菌糸を追いかけるように根っこが張り、微生物が豊富な土壌を取り戻すこと。
最後に、寺の位置について解説。山があり、宇治川がある。その間にある扇状地の池を守るために寺が開山されたのではないかと話し、午前中は終わりました。
ご参加の方々、萬福寺・青少年研修道場の方々、ありがとうございました。
この日は京都新聞の方が取材に来られ、記事にもしていただけました。
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